まむしと遊ぶ男・・・39
男はガキの頃、ヘビ山よ呼ばれる所があった。そこは銅山の廃虚跡で石がごろごろ転がっていた。ここに、いろんなヘビが生息していたのだ!こんな場所ゆえ誰も近づく者はいない。男は近くを通るといつも好奇心に満ち溢れていた。
ヘビの種類は、黒マムシ、赤まむし、シマヘビ、アオダイショウ等であったが、親からは絶対あの場所へ行くなと言われていた。黒マムシ、赤マムシは猛毒なのだ。この2種のヘビの見分け方は、頭は三角で黒マムシはネズミ色、赤マムシは茶色ぽい、大きさは50センチくらい。
画像はネットより拾いました。
黒マムシ
赤マムシ
シマヘビ
アオダイショウ
問題が起きたのは教室だった。男はマムシ君を1升瓶に入れ蓋をし学校へ持ってきたのだ!何で持って来たのかと聞かれると今は思い出せない。が、買う先生がいたので持ってきたと思う。クラスの連中は1升瓶の中身はヘビだとはだれも知らなかった。新聞紙で包んできたのでそれ程興味をそそるヤツはいなかった。
ところが、ラジオ体操が終わり教室に戻ったところ、1升瓶の中は空っぽ。男は慌てたマムシ君が脱走したのだ。
教室から皆逃げた、噂を聞いた隣の教室も、その隣の教室の連中も皆逃げた。男も逃げた。
それから怒り狂った先生たちが教室や便所、廊下の隅、体育館と探したがマムシ君はいない。先生は町内の親父共に応援を依頼した。親父達も一生懸命捜査したが捜査線上にマムシ君は現れない。
学校は臨時休校となり。みんな帰った。男も帰ろうとしたら、お前帰るなと言う。
町内の親父はマムシ君を捕まえてきた。帰らないで校庭で遊んでいたガキ共はワァーワァー騒いで喜んでいた。男も嬉しくてて騒ぎたい気分であったが、騒ぐことはなかった。マムシ君はしょんぼりしていた。男もしょんぼりしていた。
その後、男には刑務所より激しい制裁が加えられたことは言うまでもない。
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