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2012年6月22日 (金)

社説:東電社内事故調 自己弁護でしかない

毎日新聞 2012年06月22日 02時31分

 まるで、裁判の訴訟対策のようだ。福島第1原発事故は「想定した高さを上回る津波の発生」が原因だと結論づけ、責任逃れと自己弁護に終始している。東京電力の社内事故調査委員会がまとめた最終報告書を読むと、そう言わざるを得ない。

 報告書は本体だけでA4判352ページに及び、延べ600人に聞き取り調査したという。しかし、目的に掲げられた「原因を究明し、原発の安全性向上に寄与するため、必要な対策を提案する」姿勢がまったく感じられない。期待されていたのは、事実を積み重ね、事故の真相に迫り、責任の所在を明らかにすることだったはずだが、対応のまずさの指摘に対する釈明ばかりが並ぶ。そのような企業に、これからも原発の運用を託せるのか疑問だ。

 例えば、政府の事故調査・検証委員会は昨年12月の中間報告書で、1号機や3号機の冷却装置の操作の習熟不足などを問題点として指摘したが、報告書は「その後の対応に影響を与えたとは考えられない」などと反論する。だが、別の対応を取っていた場合に事態がどう変わっていたかの考察はない。津波の想定も「専門研究機関である国の組織が統一した見解を明示し、審査が行われることが望ましい」と他人任せにする。

 菅直人首相(当時)ら官邸の介入については「無用の混乱を助長させた」と断じた。第三者が指摘するなら分かるが、当事者が言うと、責任逃れにしか聞こえない。

一方で、事故をめぐる多くの謎は残されたままだ。

 報告書は、福島県飯舘村など原発から北西方向へ広がった放射性物質の主要な排出源は2号機だと結論づけたが、2号機は水素爆発を起こしておらず、損傷箇所や放射能の流出経路ははっきりしない。原子炉の圧力や温度データから、地震による主要機器の損傷はないと評価しているが、高い放射線の影響などで建屋内の機器の現場確認もできていない。

 情報公開にも疑問がある。

 東電本店と第1原発は回線で結ばれ、事故時のテレビ会議は録画されていた。検証作業には欠かせない資料だが、「プライバシーの問題が生じる」ことなどを理由に公表を拒んでいる。新旧役員の事故責任を問う株主代表訴訟や、被害者による損害賠償訴訟が起きていることが、情報出し渋りの一因だとすれば問題だ。

 国際原子力機関の安全原則は1番目に、原発の安全の一義的な責任は事業者が負うと定めている。東電の責任は免れようがなく、徹底的な情報の開示は最低限の責務だ。

 近く最終報告をまとめる政府や国会の事故調には、国民が納得できる検証結果の公開を求めたい。

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