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2012年7月15日 (日)

社説:金利不正操作 裏切りの全容解明せよ

毎日新聞 2012年07月15日 02時32分

 金融界への不信を増幅させる事件がいつまで続くのだろう。

 このほど明るみに出たのは、国際的に最も重要とされる金利の大規模な不正操作だ。長期にわたり業界ぐるみの不正が続いていた可能性があるばかりか、政府や中央銀行までもが関与の疑いをかけられている。当局に不都合な事実も含め、とにかく全容を解明する必要がある。

 不正の舞台となったのは、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)と呼ばれる短期金利だ。金融機関同士が資金を貸し借りする際にかかる金利の平均値だが、企業への貸し出しや住宅ローンから金融派生商品(デリバティブ)まで、世界で総額800兆ドル(約6.3京円)相当の契約に影響するともいわれる。公的性格が極めて強いにもかかわらず、自らの利益のため繰り返し操作していたとすれば、許し難い裏切りだ。

 操作が可能だったのは、金利が限られた金融機関の自己申告で決まるためである。LIBORの場合、最大18の指定金融機関が日々、自らの借り入れにかかる金利の推計を英銀行協会に報告する。そのうち上から四つと下から四つの金利を除く残りを平均し決まる仕組みだ。

指定された金融機関はグローバルに活動する有力機関であり、正直に、紳士的に行動するという信用の上に成り立っていた。だが、こうした金融機関は、LIBORのわずかな変動でも大きくもうけられるデリバティブ取引を手がけており、関係者がうまく結託すれば取引上有利になる金利を設定できる余地があった。

 英金融大手バークレイズが2億9000万ポンド(約360億円)の罰金支払いで米英の金融監督当局と同意しトップが辞任したが、これまでに判明した記録などから、単独の不正とは考えにくい。

 問題が極めて深刻なのは、カルテルまがいの利益追求に加え、英政府やイングランド銀行(中央銀行)まで、直接、間接にかかわった疑いがかけられていることである。

 金利操作はいつ始まったのか。当局の問題意識はどうだったのか。誰が不当な利益を得て、誰がどれくらい損をしたのか。明らかにしなければならない問題は山ほどある。

 LIBORの設定には日本の大手金融機関も参加している。また、東京版のTIBORをめぐっては、金融庁が昨年末、米欧の金融機関を不正操作で処分したほか、今年に入り欧州の当局も調査をしている。日本も大いに関係する問題だ。

 今後は、バークレイズ以外への罰金や大規模な訴訟も予想される。その影響で金融市場が動揺するようなことがあってはならない。その意味でも国際協力が欠かせない。

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