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2012年7月13日 (金)

社説:いじめ強制捜査 異様事態を生んだのは

毎日新聞 2012年07月13日 02時31分

 大津市で昨年10月、いじめられていた中学2年男子生徒が自殺した問題は、滋賀県警が暴行容疑で強制捜査に踏み切る事態になった。

 夜の校舎に捜査員が家宅捜索に入った。極めて異例だ。その映像にせつなくなった人は多いだろう。

 状況が動き始めたのは今月に入ってからだ。自殺後の全生徒アンケートで被害生徒が「自殺の練習」をさせられていたという回答があった。それを確証なしとして市教育委員会が公表していなかった。それがこの3日に表面化し、以後、次々にずさんな対応ぶりや、隠蔽(いんぺい)ともいえる非公開姿勢が露呈した。

 例えば、「自殺の練習」は確証がないと言いながら、加害者とされる生徒には確認していなかった。

 アンケートは2回目があり、そこでは「葬式ごっこ」「自殺の練習と言って首を絞める」などといじめの内容が記されていたが、市教委は遺族側に伝えず、ただされると「見落としていた」と釈明した。

 情報があっても一つ一つ丹念な確認調査をしたり、多角的に検証したとは到底いえまい。いったい何のためのアンケートだったか。回答した生徒の失意と不信を思うべきだ。

 また、回答などからみて、いじめは多くの生徒が見聞していたほか、気づいていた教師もいた可能性がある。これははっきりさせてほしい。

 最悪の事態をなぜ止めることができなかったのか。あらゆる点から検証しないと、今後に生かせない。

県警も、生徒の父からの被害届を3度受理していない。だが、今月、世論が高まるや、本格捜査に乗り出した。在校生らからの聴取に際しては、この9カ月間の心理的動揺や不安に配慮し、細心の注意が要る。

 1986年、東京の区立中で男子生徒が自殺した。明らかになったいじめに「葬式ごっこ」もあり、教師の加担も指摘され、社会に衝撃を与えた。2006年には、北海道で小学生女児が自殺し、市教委が遺書にいじめが書かれているのを無視するという問題が表面化した。

 その度に対策や指導法の改善が論議されてきた。文部科学省は、いじめはどの子、どの学校でも起こりうるもので、その認定はあくまで被害者側に立つことを求め、詳細な留意点も示している。今回のケースに照らせば、空文に等しい。

 なぜこんなお茶濁しまがいの調査をし、事なかれ体質を露呈するようなことになったのか。

 それは刑事事件としての捜査・解明とは別に、本来、教育のプロたる学校や教委が自ら検証し、明らかにしなければならないことだ。

 教育委員会制度の存在意義もかかる問題だと認識した方がいい。

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