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2012年7月30日 (月)

社説:原発事故と福島 未来を考える原点だ

毎日新聞 2012年07月30日 02時32分

 東京電力福島第1原発事故から1年4カ月がたった。長引く避難生活で住民は疲弊するが、帰還への道のりはなお遠いのが現実だ。

 除染は思うに任せず、避難区域の再編もなかなか進まない。いったん重大な原発事故が起きれば、広い地域が長期間にわたり、取り返しのつかない被害を受ける。原発依存を減らしていくためにも、その原点は直視すべきだ。

 政府は今月、「福島復興再生基本方針」を閣議決定した。福島県の復興を国政の最重要課題としたうえで、長期の財源確保を明記したのは当然と言えよう。

 放射性物質の除染を進め、追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑える長期目標も掲げた。

 3万人以上の子供たちが、健康への懸念から避難生活を余儀なくされており、除染は喫緊の課題だ。だが、国の実証実験では放射線量が高い地域でそれほどの効果が得られていない。森林の除染に至っては、ほとんど手つかずの状況だ。

 自治体によるゼネコンなどへの除染作業発注も本格化しつつある。地道な作業を続けるしかあるまい。

 心配なのは、放射性廃棄物の仮置き場設置が進んでいないことだ。政府が双葉郡内への設置を要請した中間貯蔵施設の建設問題も協議されずに足踏みしている。地元の理解を得るのは容易ではないが、いつまでも先送りはできない。政府はリーダーシップを発揮してもらいたい。

原発事故によって避難した住民が適切な賠償を受け、生活再建への道を着実に歩み始めることは復興にとって欠かせないだろう。

 政府は先日、地元自治体とも協議の上、原発事故による避難区域の不動産や家財の賠償基準を示した。

 現在、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3区域に避難区域の再編が行われているが、事故から6年後までに避難指示が解除されなければ、自宅などの不動産は評価額の全額が賠償される。

 家財の賠償など避難区域によって差はあるが、地元からはおおむね評価の声が聞かれる。まとまった額の賠償金がやっと示され、避難住民は、早期帰還を目指すのか別の土地で暮らすのかの決断も可能になる。

 賠償問題がネックで進まなかった避難区域の再編も進む可能性が出てきた。東電は誠実、迅速に賠償金の支払いを進めるべきだ。

 福島県は今、原発に依存しない社会を理念として掲げる。政府は基本方針で、同県に再生可能エネルギーの拠点を作る構想も掲げた。福島の意思を将来にわたって支えたい。

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