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2012年7月21日 (土)

社説:オスプレイ 米国にモノ言わぬ首相

毎日新聞 2012年07月21日 02時30分

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が23日に米軍岩国基地(山口県岩国市)に搬入される。政府が山口県と岩国市に通知した。米軍は10月に沖縄の米軍普天間飛行場に本格配備する計画で、野田政権はこれを容認する姿勢だ。

 オスプレイは開発段階から事故が相次ぎ、4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で墜落事故が起きた。沖縄や山口、訓練空域下の各県で安全性への懸念が広がっている。

 仲井真弘多沖縄県知事は「断然拒否」と述べ、県内で事故が起きれば「全基地即時閉鎖という動きになる」と語った。普天間を抱える宜野湾市長ら沖縄の首長が相次いで配備中止を政府に申し入れ、全国知事会も安全が確認されないままの国内配備に反対する緊急決議を採択した。

 普天間飛行場は住宅密集地にある「世界一危険な基地」(ラムズフェルド元米国防長官)だ。フェンスを隔てて小学校が隣接し、04年には近くの沖縄国際大学に同飛行場所属の輸送ヘリが墜落、炎上した。オスプレイの事故におびえながら暮らさなければならない周辺住民の不安、苦しみは察するに余りある。

野田佳彦首相は「配備は米政府の方針であり、(日本から)どうしろこうしろと言う話ではない」と語った。日米安保条約上は事前協議の対象ではないと言いたいのだろう。しかし、危険性への懸念を事前協議のテーマかどうかで処理する感覚を疑う。危険性を理由に移設することになっている、その普天間にオスプレイを配備しようというのも、これを容認する首相発言も、沖縄の実情を無視した対応で、無神経過ぎる。

 前原誠司民主党政調会長は「首相も官房長官も沖縄、山口の民意を軽く考えているのではないか」と批判し、配備延期を求めた。「万一のことがあれば日米同盟関係を大きく傷つける」という主張だ。与党内に同様の声が広がっている。

 日米両政府は、モロッコ、フロリダ両事故に対する米側調査と、日本独自の検証が終了するまで岩国での試験飛行を行わないと決めた。

 しかし、両政府はあくまで「普天間への10月配備」は変えないという。これでは調査・検証結果に関係なく「10月配備ありき」である。何のための調査・検証なのか。機体に問題なしとの結論を前提に調査・検証を行うのでは、と思われても仕方ない。

米国内では住民の反対で空軍がオスプレイ訓練の延期・見直しを決めたとの指摘もある。普天間への配備を強行すれば、政府と沖縄の関係は一層ぎくしゃくし、基地の運営、普天間問題の行方にも影響しかねない。野田首相が配備延期を政治決断し、米側と協議するしかない。

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