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2012年7月29日 (日)

社説:参院「1票の格差」 また小手先で終わる愚

毎日新聞 2012年07月29日 02時32分

 自分たちの置かれた状況がまるで分かっていないのではないか。参院の「1票の格差」是正問題が、選挙区定数を「4増4減」する案で決着する見通しとなったことである。

 この案は福島、岐阜両選挙区の定数(各4)を2ずつ減らし、神奈川、大阪両選挙区の定数(各6)を2ずつ増やす内容だ。民主党が提案し、自民、公明両党も容認したことで関連法案は今国会で成立し、来年夏の次期参院選で実施されるという。

 これにより格差は最大4.75倍となり、東京高裁などが違憲判断を下した10年参院選の5.12倍からは若干縮小する。だが、09年に最高裁が国会に早期是正を求めた4.86倍と同じレベルになるに過ぎない。要するに一時しのぎだということだ。

 民主党は当初、10県を2県ずつ5選挙区に合区する案(最大格差約3倍)を提案し、自民党も8増12減案(同4.48倍)を示していた。だが、こうした案よりも後退する一方、総定数は242のままで比例代表を含めて定数削減は見送られた。民主党は参院の定数を40程度削減するとマニフェストに掲げていたが、これまた先送りするという。これで有権者に納得しろという方が無理だ。

 参院は今、その存在意義すら問われている。そんな危機感が与野党通じて乏しいのではないか。

かねて毎日新聞は、国会の再生に向け、まず参院のあり方を考え直すべきだと提起してきた。日本の参院は他先進国の第2院に比べ、その権限が極めて強い。衆参のねじれが「決められない政治」の要因となっており、しかも、1党で過半数が取りにくい現行の参院の選挙制度が続く限り、ねじれは常態化する可能性が大きいという問題もある。

 そもそも参院の役割とは何なのか。どんな人材が参院議員にふさわしいのか。それさえ明確でなくなってきているのが現状だ。

 そんな中、次期衆院選で国政進出を目指す「大阪維新の会」が、参院廃止を視野に入れた改革を主張する動きも出てきている。本来は、そうした状況を踏まえた本格的な議論が与野党に必要なのである。

 これまでも、こうした議論となると各党の利害対立と、現状を維持したいという現職議員の保身の意識が相まって、小手先の是正で終わってきた。議員自身で議論するのが無理なら、もはや有識者らによる第三者機関に改革を委ねるほかあるまい。

 もちろん、1票の格差をめぐり、一向に結論が出ない衆院はさらに怠慢というべきだ。自民党は小選挙区の「0増5減」法案を国会に提出した。まず違憲・違法状態を解消するため、「0増5減」案を優先させるべきだと改めて指摘しておく。

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