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2012年8月21日 (火)

社説:領土外交 国際世論を味方にせよ

毎日新聞 2012年08月21日 02時32分

 中国各地で反日デモが起きた同じ日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島に日本人が上陸した。島根県の竹島では韓国大統領直筆の石碑の除幕式があった。日本政府は韓国への対抗措置の検討を今週から本格化させる。領土を巡る中韓との摩擦がなかなか沈静化しない。

 北方領土を含め、戦後日本の領土外交の課題がここにきて一気に噴き出してきた。帝国主義の時代には領土紛争は軍事力で解決することが多かったが、21世紀の今日、そのような手段が認められるはずはなく、また認めてはならない。肝心なのは外交力だ。国民同士の感情的な対立が後戻りできないところまでエスカレートしないよう、日中、日韓の対話のパイプを大事にすることだが、それだけでは足りない。国際世論を味方につけるよう、政府はもっと発信努力をすべきである。

 尖閣諸島については実効支配しているのは日本であり、領土問題は存在しない、とする政府の姿勢は間違っていない。だがそれは、何も言わず黙っていればいい、ということではないはずだ。中国はメディアを通じて尖閣諸島の領有権を世界中で主張し、さまざまな場で政府関係者が自国の立場を強調している。このままでは、国際宣伝合戦で日本が不利な立場に置かれかねない。歴史的にも国際法的にも日本の領土だということを、世界にきちんと理解してもらわなければならない。これまでの沈黙の外交ではなく、これからはモノ言う外交が必要だ。

政府は竹島問題を、国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針だ。だが、韓国側が竹島問題とからめる旧日本軍の従軍慰安婦問題で、日本の過去の対応は世界に十分伝わっているだろうか。かつて米議会が日本に謝罪要求決議をしたが、日本が国民基金を設立して元慰安婦に償い金を渡すことを決め、首相の「おわびと反省の手紙」も届けることにした経緯が、米国にすら理解されていなかった証左ではないか。

 その意味で、駐米大使をはじめとする大使人事の刷新は、在外公館の広報活動を立て直すいい機会だ。民間から起用した駐中国大使の早めの交代は在任中の言動からやむを得ないが、民間の知恵が不要だということではない。むしろ、政治家や外交官だけでなく、国民全体で領土外交のあり方を真剣に考える時だ。

 若い世代に尖閣諸島、竹島、北方四島がなぜ日本の領土なのかをしっかり教える教育も大切だ。歴史を正しく理解すれば、相手の主張に理性的に反論することもできるようになるだろう。波風を立てるより、静かで能動的な外交で日本の国際的な立場を高めていきたい。

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