五輪サッカー:なでしこ、出し切った涙と笑顔
毎日新聞 2012年08月10日 10時26分(最終更新 08月10日 13時23分)
ロンドン五輪第14日の9日、サッカー女子の日本(なでしこジャパン)は決勝で米国に1−2で敗れ、銀メダル。
宮間がピッチに倒れ込んだ。髪を乱し、おえつしている。最高の相手と力の限りをぶつけ合い、あきらめなかった。本気で再び世界一を狙った。だからこそ、みんな涙をこらえ切れなかった。
8万人を超える大観衆で埋まったサッカーの聖地、ウェンブリー競技場に「ニッポン」「USA」の歓声が渦巻く。勝敗の差はまさに紙一重。佐々木監督が「この大会で一番のゲーム」と評した、まさに世界の頂点を決めるにふさわしい攻防だった。
米国がスピードとパワーを生かして攻め込めば、日本は磨き上げたパス回しで崩して何度も相手ゴールを脅かす。2点を先に失っても心は折れない。後半18分、ゴール前の攻防から澤が粘り、最後はこぼれ球を大儀見が押し込んで1点差。国際サッカー連盟のランキング1位にある「世界最強」の米国を追い詰めた。
相手より体が小さくても、足が速くなくても、これほどのサッカーができる。昨年のワールドカップ(W杯)決勝よりも、明らかに力の差は縮まっていた。佐々木監督と目指してきた「なでしこ」のサッカーの集大成を世界に見せることはできた。だからこそ「勝ちたかった」と宮間。
興奮の余韻が残るピッチで、表彰式が始まった。選手たちは肩に手を置き隊列を組んで入場し、みんなで手をつないで表彰台に向かった。はしゃぐ姿はいつもの明るい姿。澤は「代表に入ってから目指してきたメダル。悔いはない。W杯の優勝と同じくらいの重みがある」。自分たちの力は出し切った。心からそう思える戦いだったから、最後を最高の笑顔で迎えることができた。【大島祥平】
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