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2012年8月12日 (日)

ES細胞:移植で「心筋梗塞が改善」 信州大

2012年08月12日

記者会見した信州大医学部の柴祐司助教=松本市旭の信州大で

記者会見した信州大医学部の柴祐司助教=松本市旭の信州大で

 信州大医学部(長野県松本市)の柴祐司助教(39)=循環器内科学講座=の研究グループは、さまざまな種類の細胞になる能力があるヒトの胚性幹細胞(ES細胞)を心筋梗塞(こうそく)を発症したモルモットの心臓に移植したところ、心機能を回復すると共に致死性の不整脈を抑制することに成功したと発表した。今後、ヒトの心臓病の治療への応用が期待できるという。研究内容は6日付の英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。

 研究グループは、心筋梗塞で壊死(えし)した心筋にヒトES細胞を移植すれば、心機能が改善するのではないかと想定。一方で移植の副作用で不整脈が起きやすくなる危険性があると懸念した。柴助教によると、日本では年間80万人が心筋梗塞を発症し、3〜5割が不整脈で突然死しているという。

 研究は、米ワシントン大と共同で実施した。マウスやラットに比べて脈拍数がヒトに近いモルモットを使用。ヒトES細胞を心筋細胞に分化させ、心筋梗塞を起こしたモルモットの心臓に注射で移植した。

結果、4週間後に約2%の細胞が定着した。心機能を示す心臓収縮率は、処置をしなかったモルモットが正常値の35%から21%に落ちたのに比べ、移植したモルモットは25.4%にとどまった。

 更に電気刺激で不整脈を誘発すると、無処置のモルモットの発症率が50%だったのに対し、移植したものは6.7%だった。

 柴助教は「心臓病は最も多い死因とも言われる。細胞の定着率の向上など課題はあるが、将来は患者さんの生命力回復につながれば」と話した。【大島英吾】

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