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2012年8月17日 (金)

社説:尖閣不法上陸 挑発の背後を見極めよ

毎日新聞 2012年08月17日 02時32分

 沖縄県石垣市の尖閣諸島(中国名、釣魚島)に香港の民間抗議船に乗った政治団体のメンバーが上陸した。警察官と海上保安官が計14人を出入国管理法違反(不法上陸など)容疑で逮捕し、強制送還の方向だ。

 「保釣行動委員会」を名乗っている。「保釣」とは釣魚島奪還運動で、民間人とはいえセミプロの反日活動家だ。中国や台湾の特務機関関係者との連絡もあるといわれる。日中関係を悪化させる目的をもった挑発活動であることは明白だ。

 今回の行動の背後には反日運動を仕掛けようとする勢力があると見ておいたほうがいい。韓国の李明博(イミョンバク)大統領が島根県の竹島(韓国名、独島)に上陸した直後であり、領土主権侵害に対する警戒心が高まっている。入管法を厳正に執行するのは当然だ。香港活動家に厳しい罰を科して再発を防げという意見もあるだろう。しかし、同時にみすみす挑発のワナにはまらないように、慎重で柔軟な政治的知恵も必要だ。

 首相官邸、外務省、海上保安庁、警察庁が緊密に連絡をとって臨機応変の対応がとれるようにしておかなければならない。2年前、領海侵犯した中国漁船が巡視船に体当たりした事件の処理で日本側が混乱したことは記憶に新しい。今のところその教訓は生かされている。

今年に入って、すでに台湾の保釣団体の船が尖閣諸島沖に接近している。中国本土の保釣船も2、3度、出港を試みて中国当局に制止されたという。香港当局も保釣船の出港を阻止してきた。

 ところが7月、親中国系の梁振英氏が香港特別行政区行政長官に就任してから風向きが変わった。出港が許可されただけでなく、長官が保釣船を励ました。船には親中国系の衛星テレビ局の記者が乗り、尖閣上陸を中継した。このニュースを中国国内の新聞、テレビがトップニュースで報じた。共産党中央宣伝部の指示がなければできないことだ。

 上陸の当日、北京などで中国保釣団体の反日デモがあった。小規模だったが、7月7日の盧溝橋事件75年デモと同じ団体だ。胡錦濤国家主席が結んだ、東シナ海日中ガス田協議の合意破棄を要求していた。反日デモの形をとった反胡デモだ。

 中国の様子がおかしい。秋の共産党大会で党や軍の指導部が変わる。保守派代表と見られた薄熙来・前重慶市党委員会書記の失脚以来、胡主席の共産主義青年団派との人事抗争が激化した。いま人事調整の天王山といわれる北戴河会議の最中だ。この時期に反胡運動にもつながる保釣運動がなぜ起きたのか。保釣船の挑発の背景に中国国内の権力闘争があると疑う必要もあるだろう。

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コメント

尖閣諸島の上陸は、中国共産党の指示…最低でも黙認がなければできないことだと思います。
香港では、最近、民主化運動が活発化してきていましたが、香港の活動家が日本の警察に逮捕、拘留されるという事実(報道)は、香港の民主化活動から目を反らせるには、絶大の効果があります。
日本の活動家の拘留期間が長引けば、香港の民主化運動のガス抜きができる。
日本が強制送還という名目で無罪釈放という手段をとれば、2国間においては、中国の外交的な勝利、国際的な視点では、日本の信用の失墜という目的が遂げられます。

つまり、どちらに転んでも中国政府にとっては「利」があるというのが「香港活動家の尖閣諸島上陸」だったのだと思います。

中国が一番恐れているのが、反日運動がそのまま、反政府運動に転換してしまうことだと思います。

中国は反日運動をやればやるほど、自分の首を絞てしまう状況に陥って来ているのではないかと思います。

投稿: bocun | 2012年8月17日 (金) 14時36分

bocun さんコメントありがとうございます。
今回の事件の黒幕は中国政府だと思っていました。しかし、香港の民主化運動は知りませんでした。貴重な情報ありがとうございます。

投稿: ぽん | 2012年8月17日 (金) 18時48分

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