次は92年ぶりの4強…錦織、強打で強敵倒す
セカンドサーブを狙い澄まし、ラケットを振り切った。
五輪テニス男子シングルス3回戦。差し込まれたフェレールの返球が、力なくネットに沈む。閉まったセンターコートの屋根へ、錦織圭が両手を突き上げた。
「相手のリズムを奪う攻め」。それが、テーマだった。強い意志は、第1セット第1ゲームに表れる。リスク覚悟の強打を左右に放ち、甘いサーブは迷わずたたく。そして、最初のブレークポイントで、ジャンピングスマッシュで右サイドの線上にボールを弾ませた。
しぶといストロークが持ち味の世界5位の出はなをラブゲームでくじくと、第1セットは6―0。3度のブレークポイントを全て一発で仕留める、「テニス人生最高」の滑り出しだった。
そして、勝負の第3セット途中に日没となった。5―4の時点で照明付きのセンターコートへ移動した。「相手にも重圧がかかる場面」。思惑通りダブルフォルトなどでブレークの好機をつかむと、強烈なリターン一発で、日本男子88年ぶりの8強を決めた。
五輪前、錦織は言っていた。「テニスでメダルは厳しいのが現状。だけど、結果でしかアピールできない」
世界ランク1桁の高み、近年のトップ選手の五輪への本気度を見れば、四大大会4強以上に当たるメダルを世界17位がつかむのは至難の業だ。しかし、22歳はその舞台で、世界5位を現実に攻め切った。
「調子は確実に上がってる。芝での自信もついてきた」。日本の五輪メダル第1号は、1920年のテニス男子銀の熊谷一弥。歴史を呼び覚ます92年ぶりの4強へも、攻めを貫く。(近藤雄二)
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