iPS細胞:目の治療の臨床研究申請 理研、倫理委に
毎日新聞 2012年10月26日 20時09分(最終更新 10月26日 20時21分)
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は26日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の病気治療の臨床研究について、理研に設置されている倫理委員会への申請を済ませたことを明らかにした。倫理的な問題や安全性などの審査を第三者が行い、実施の可否を判断する。来年にも実施を計画しており、実現すれば、iPS細胞を使った国内初の臨床研究となる。
臨床研究は、サルでの動物実験をした同センターの高橋政代プロジェクトリーダーらが計画している。視野がゆがみ、悪化すると失明につながる病気「加齢黄斑変性」の患者に、自身の皮膚細胞で作製したiPS細胞で作った網膜色素上皮細胞をシート状にして移植する。5〜10人を対象に、治療法の安全性や効果を調べる。
倫理委への申請は、移植手術を実施する先端医療センター病院にも行う。他に、症状が悪化した際の救急診療や、移植後の患者の経過観察などを担う神戸市立医療センター中央市民病院にも申請を検討。いずれの施設も同市のポートアイランド内の一角で隣接しており、連携を取りやすい。倫理委での承認を経た後、厚生労働省の委員会にも計画を申請し、審査を受ける必要がある。
iPS細胞を使った再生医療の移植治療は、細胞のがん化する危険性が大きな課題だが、目の組織はがんになりにくい上、仮にがんになってもレーザーで焼いて除去できるため、他の組織よりも実施へのハードルが低いとされる。【野田武】
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