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2012年11月 3日 (土)

社説:約束守らぬ米軍 怒りと不信、もう限界だ

毎日新聞 2012年11月03日 02時30分

 再発防止、綱紀粛正が叫ばれているさなか、夜間外出禁止令を破って米兵士が事件を起こし、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、日米合意に違反して飛行している可能性が指摘されている。

 これでは、約束破りの米軍と言われても仕方ない。沖縄で、米軍への怒り、日米両政府に対する不信が募っているのは当然である。

 両政府は、日米安保体制に影響しかねない深刻な事態であることを強く自覚すべきである。

 事件は2日未明に起きた。沖縄の米軍嘉手納基地所属の空軍兵士が沖縄県読谷村で、酔っ払って民家に侵入、男子中学生にけがをさせた。

 在日米軍は、先月16日に海軍兵士が起こした集団強姦(ごうかん)致傷事件を受けて、19日、全兵士に対し夜間外出禁止令を出し、日本政府や地元・沖縄に再発防止を約束したばかりだ。半月もたたないうちの再発である。米軍の綱紀粛正は事実上、かけ声だけに終わっている、ということだ。

 米兵士の中には、再発防止、綱紀粛正と言っても一時的なものだ、などと事態を軽視するムードがあるのではないか。それでは事件は繰り返される。米軍が対策の中心になるのは当然だが、日本政府も、兵士教育など再発防止策の現状を把握し、その徹底について検証すべきだ。

 一方、沖縄へのオスプレイ配備から1カ月過ぎたが、反発が収まる気配はない。地元自治体や住民からは、人口密集地上空の飛行制限やヘリモードでの飛行制限などをうたった日米合意に違反して飛んでいる、本来の飛行ルートをはずれている、などの通報が県などに相次ぎ、配備への批判はむしろ強まっている。

 日米合意には、飛行制限について「可能な限り」や「運用上必要となる場合を除き」などの表現が付いていた。日米両政府、米軍はこれをもって「ただちに違反とは言えない」と言いたいのかもしれないが、沖縄では逆に、この表現によって堂々と合意違反がまかり通っている、と受け止められている。

 森本敏防衛相は2日、全国知事会議に出席し、オスプレイの訓練を米軍岩国基地(山口県)など本土に分散することに理解を求めた。訓練分散が実現すれば、それだけ沖縄の負担は軽減されることは間違いない。

 しかし、今の沖縄のように、日米合意の趣旨に反する飛行が日常的に行われるようでは、沖縄の負担軽減に協力しようと考える本土の自治体も「訓練受け入れ」に二の足を踏んでしまうだろう。

 必要なのは、日米合意に盛られた飛行制限を厳格に守ることである。日本政府は、約束を守るよう米側に強く申し入れるべきである。

http://mainichi.jp/opinion/news/20121103k0000m070134000c.html

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