東電未公開テレビ会議:低濃度汚染水放出経緯は謎のまま
毎日新聞 2012年11月30日 21時50分(最終更新 11月30日 23時39分)
「ポンプは全台起動中で、(放射性汚染水を)現在放出中」(吉田昌郎第1原発所長)。東京電力が30日、報道関係者限定で公開した第1原発事故直後の社内テレビ会議映像は、5、6号機などの低濃度汚染水の放出(昨年4月4日夜)について、吉田所長が「ゴーサイン」を出した映像が含まれている。しかし映像には放出に至る経緯は含まれておらず、政府や東電の協議の中身は不明のままだ。(肩書はいずれも当時)
「(汚染水の)水位を考えると、心臓が止まりそうだ。心臓と胃がキリキリになる最大の原因だ」。吉田氏は3月30日夜のテレビ会議で本店に迫った。
当時は5、6号機や集中廃棄物処理施設で汚染水が急増。各タービン建屋地下でも高濃度汚染水がたまり、これらの保管場所確保が喫緊の課題となっていた。「汚染水処理で手足を縛られた中、(事故収束で)頑張れと言われても頑張りようがない」(4月4日午前)。吉田氏はそう不満を伝えた。
2号機取水口からは高濃度汚染水が流出しているのが見つかり、政府と東電は同4日午後7時以降、5、6号機などから出た約1万立方メートルをポンプで海洋放出した。細野豪志首相補佐官が「漁業関係者からはさまざまな厳しい声をいただいているが、我々は結果を求められている」(同5日午前)と述べたが、政府の事故調査報告書では諸外国に放出開始の連絡がなかったことが分かっている。
結果的に「見切り発車」の放出となったが、今回公開分では政府と東電の詳細な協議は含まれていない。3月28日には吉田氏が本店を訪れ、放出を本店に求めたことが国会事故調の報告書で明記されているが、肝心の同23日未明以降、30日未明までは未公開のまま。一方、東電は11月30日の会見で「放出を判断したのは(テレビ会議回線がない)本店6階で、ビデオ映像には含まれていない。判断の瞬間の映像はない」と述べており、放出の経緯を示す検証は困難な状況だ。
一方、ぎりぎりの状況で作業に当たる社員の肉声も残る。
続く
http://mainichi.jp/select/news/20121201k0000m040098000c2.html
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