放射性セシウム:海底くぼ地にホットスポット
毎日新聞 2013年08月07日 21時31分(最終更新 08月07日 21時50分)
東京電力福島第1原発事故で生じて海底に蓄積した放射性セシウムは、くぼんだ地形で局所的にたまりやすいと、東京大生産技術研究所や九州工大などのチームが7日、発表した。くぼみは周辺と比べて最大約20倍の高濃度の「ホットスポット」になっていた。海底の除染対策などにつながる成果という。
チームは、船からワイヤでつないだ測定器を海底に下ろし、運航しながらセシウム濃度と海底の地形を連続して測る手法を独自に開発。昨年8月から1年、同原発から半径20キロ圏内などの深さ10〜145メートルの海底で、セシウム137(半減期約30年)の濃度を調べた。
その結果、原発沖合で濃度の高い約40カ所のホットスポットを見つけ、そのうち二十数カ所は、地形が数十〜数百メートルの大きさでくぼんでいることが分かった。原発の東約10キロのくぼみ(深さ約48メートル)では、周辺の約20倍の土1キロ当たり1190ベクレルを計測した。
くぼみにたまる仕組みについて、同研究所のソーントン・ブレア特任准教授は「海水中を漂う泥の粒子にセシウムが付着して海底に広く積もり、くぼみでは海流に流されにくいためだろう」と話す。【野田武】
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