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2014年2月 7日 (金)

沼田流人の小説87年ぶりに復刻

小説『血の呻き』とタコ部屋


沼田流人(るじん)は後志管内倶知安町のプロレタリア作家(1898~1964年)。

小説『血の呻き』は軽便鉄道、「東倶知安線(旧京極線)」の鉄道敷設現場に潜入し、実際に働きながらタコ部屋の実態を体験、労働者たちが日常的に暴力的な虐待を受け死に至る場面など生々しく描いた作品である。

警視庁から1923年発行禁止処分を受けて以来、日の目を見ることがなかったが、著者の二女にあたる、沼田(旧姓)瑜璃子(ゆりこ)さんの努力によって87年ぶりの復刻となった。

地獄を描いている点が他の小説にない極めて稀な作品ある。

タコ部屋の描写は小林多喜二の『蟹工船』とそのなかに記述されているタコ部屋を遥かに凌駕している。


文章の一部を紹介する。気の弱い方は読まないようにお願いします。だいぶリアルです。

「出た出た。殴れ、殴れ」

彼らは恐ろしい杖を持って、喚声をあげて、めちやめちやにその頭を殴りつけた。靴屋は異様な呻き声をあげて、また水の底に沈んでいった。

然し、彼はまもなくひどく潰れて血の湧き出る気味悪い頭を擡げて出てきた。

杖は暴風のように、その崩れた肉塊を襲った。彼は重々しい呻き声を立てて、のろのろと水の底に沈んだ。

ほんの3分もしない間に、またその気味の悪い頭をもたげてくるのだ。

もう、自分がなにをしているのか解らない位に、息を切らしながらその頭を殴り続けた。

ブルドックは、その頭を杖で突きながら押したが、それでも離れないで喚くのだ。

「その喉を、叩きつぶしてしまえ」

梟は焼酎瓶のカケラを彼の口の中に押し込んで、顔と同一つにして石ころで殴りつけた。尖った硝子の破片は、唇の中で釘のように砕けて喉に突き刺さった。

靴屋は叫び声も立てられないで、力なくその手を離した。

「くたばりやがった。畜生!魚にたらふく御馳走してやれ、ひ、ひ、ひ」梟は低い声で呟いた。

彼らが引き返そうとして、もう一度カンテラでその暗い水の底を照らしてみた。

その時、あの薄気味悪い頭は死に切れないヘビのように、またのろのろと水面に浮かび上がってきた。

二人の監視官は、持っていたスコップで、その頭をひどく殴りつけた。鋼鉄の、砕けかかった骨に当たる音が、不気味にがんがんと響いた。彼はのろのろと頭を動かして、その打撃を感じないように、恐ろしい眼で、じっとその男を見た。

梟は自分を抑えることが出来なくなって、尖った石を持って行って、めちやめちやにその頭を殴りはじめた。・・・・・このような描写が至る個所にある。

タコ労働者は当時、朝鮮人でなく日本人であった。

問い合わせは小松さん「札幌郷土を掘る会」

011-785-2622

A5判218ページ1200円(税別)

ウォーキング日記

2月の目標・700.000歩「1日25.000歩(20.0km)」

2月6日・走法ラン&ウォーク 34.801歩「27.8km」

2月トータル・206.857歩「165.5km」

達成率・137.9%

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