オーストラリアのシドニーの南方の谷で隠れるように暮らしていた近親相姦カルトが摘発され、近親での交配による障がいを持った子どもらが発見されるという衝撃的な事件が発覚しました。
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州、シドニーの南方60kmに位置する水も電気もない谷で4世代に渡って近親相姦を繰り返していた家族カルト集団が発見されました。この中で近親交配によって生まれ、劣悪な環境で育てられた12人の子どもたちが保護され、オーストラリアを震撼させています。
「学校に行っていない子供がいる」という通報を受けた警察が最も近い街から30km、巨大な農園に囲まれ、荒れ果てたやぶの生い茂るだけのこの谷に赴いたのは2012年の7月。
そこで警察が見たのは不潔な2台のキャラバン(移動住宅、編集部注:オーストラリアでは移動住宅やキャンピングカーでのノマド的生活は珍しくない)、2棟の掘っ立て小屋、そしてテントに生活する40人もの大人や子供でした。
そこではストーブや調理器具には汚れがこびりつき、野菜は腐り、子供のベッドにはカンガルーが眠っているという有り様。むき出しの電線やゴミ袋、チェーンソーが転がり、飲み水も電気もトイレもシャワーも風呂もなく、下水は垂れ流し。子どもたちは汚れた服を着せられたままでした。
彼らの中には明瞭に会話ができるものが殆どおらず、おどおどとして視線を合わせず、ほぼ全員が足に真菌感染症を患っていました。
彼らへの1年以上の聞き取りや調査の結果判明したのは、この家族カルトは5つの家族から形成されており、起源は子どもたちの高祖父母(祖父母の祖父母)まで遡ります。この高祖父母が実の兄妹で子供を作り、さらにこの家系は兄妹、叔父と姪、父と娘といった近親相姦を繰り返して子供を残してきました。
子どもたちは性行為が可能な年齢になると、そうした連鎖の中に組み込まれてさらに近親相姦を繰り返し、現在にまで至っています。唯一、最も若かった5歳の女の子のみが近親相姦ではない両親から産まれたとのこと。
彼らは最初はサウス・オーストラリア州から始まり、ヴィクトリア州、ウェスタン・オーストラリア州と転々とした後に現在の場所に移り住みました。
12人の子供たちは15歳から5歳までで、いずれも就学しておらず、複数の健康上の問題を抱え、さらには衛生観念というものを全く持っていません。さらに、近親相姦によると見られる発育不全や認知障害、身体上のハンディキャップなどを抱えています。
子どもたちの中には、文字の読み書きができないどころか自分でシャワーを浴びたりトイレを使うこともできず、トイレットペーパーの用途を理解できなかったり数を数えられない子もいました。
その子どもたちも痛ましい性行為の輪に組み込まれており、13歳の少女は9歳の叔父に当たる少年と、8歳の叔母の前で性行為を繰り返し、7歳と9歳の姉妹は15歳、14歳、12歳の兄妹と性的な接触を持ち、14歳の少年は8歳の姪を裸で木に縛り付けたこともあるということ。
近隣の街では、10人ほどの子供を車に詰め込んだ2人の女性が店を訪れて買い物をする姿を見かけることがあったということで、「あの谷から来たやつは近親相姦で産まれたんだ」という冗談めいた噂が流れていたといいます。
現在保護された子どもたちの一部は養子に出され、それ以外の子どもたちは性的行為や心理的トラウマの治療プログラムを受けているということ。
この事件では日本で考える過激な新興宗教の集団としてのカルトとは全く違う様相を見せています。子どもたちを性的に虐待していると捉えられる親世代も上の世代の近親相姦の結果として生まれ、さらなる近親相姦の輪に閉じ込められた形になっています。果たして責任能力が問われうるのか、それとも同じように被害者とされるのか、史上最悪とも呼ばれる近親相姦カルトがどう扱われるのか、まったく予測がつかない状態になっています。
都市伝説としか思えないような話ですが21世紀の現代に実際に起こったという事実に震撼させられます。
ウォーキング日記
3月の目標 775.000歩「1日25.000歩(20.0km)」
3月12日 走法ラン&ウォーク 29.679歩「23.7km」
3月トータル406.261歩「325.0km」
達成率135.4%
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