
参院決算委員会で
復興予算などの使い道などについて問いただす自民・森雅子氏。左から2人目は民主・蓮舫氏=国会内で2012年10月18日、藤井太郎撮影
参院決算委員会は18日午前、東日本大震災の復興予算が被災地以外にも支出された問題について閉会中審査を行った。国会がこの問題を審議したのは初めて。
問題視された事業の一つである「鯨類捕獲調査安定化推進対策費」について、佐々木隆博副農相は「各方面から(被災地の復興に資さないと)厳しい指摘が出たことを真摯(しんし)に受け止め、見直すべきところは見直したい」と釈明に追われた。
民主党の蓮舫前行政刷新担当相への答弁。
農水省は11年度の復興予算で「鯨類捕獲調査安定化推進対策費」として22億8400万円を計上。予算は反捕鯨団体「シー・シェパード」による調査捕鯨の妨害対策や、調査捕鯨の資金不足の補填(ほてん)にも充てられ、復興との関連が乏しいと批判が出ている。
佐々木副農相は「(捕鯨業者が集まる)宮城県石巻市の復興に資する」などと説明したが、蓮舫氏は「あまりにも不適切だ」と追及。佐々木副農相は、今年度予算では一般会計に変更したとして理解を求めた。
一方、城島光力財務相は復興予算を被災地に限るべきだとの指摘が出ていることについて「緊急性・即効性の観点から厳しく査定したい」と強調した。
民主党に続き、自民、公明など野党各党も質問する。
復興予算をめぐっては昨年度の補正予算や今年度本予算に計上された一部事業について「復興と関係ないものが紛れ込んでいる」との指摘が出た。政府・民主党は当初、見直しに消極的で、11日には自民党が主導した衆院行政監視小委員会の質疑を欠席。小委は審議を行わないまま流会となり、野党や被災地から「復興を軽視している」と反発の声が出ていた。【岡崎大輔、鈴木美穂】
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