【釧路】釧路市動物園のホッキョクグマ「ミルク」(雌、2歳)が、人間のような愛らしい動きで人気を集めている。

国内外のメディアで紹介され、知名度は急上昇。インターネット動画の再生数も伸び、ファン有志が写真集を作製するほどだ。来園者数の底上げにも貢献している。

 「かわいい」。19日、ホッキョクグマ舎の前は家族連れなどでにぎわっていた。釧路市動物園にホッキョクグマは2頭いるが、客のお目当てはミルク。

プールにポリタンクを投げ入れて飛び込んだり、二足歩行をしたりと、やんちゃぶりを発揮した。

 ミルクの母親クルミは、「ブリーディングローン」により、2011年に釧路市動物園から男鹿水族館GAO(ガオ、秋田県男鹿市)に貸与された。

ミルクは12年12月にGAOで生まれたが、貸与時の取り決めで昨年1月に釧路に移された。

 釧路市動物園はミルクのユニークなしぐさに着目。昨年8月にインターネットの動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」に公開すると、「動きが人みたい」と話題になった。

今年2月以降は全国放送のテレビ番組や、米国の3大ネットワークの一つCBSのウェブサイトでも紹介され、人気に火が付いた。

 ユーチューブの動画再生回数は28万回を突破。同園を応援する釧路市内のボランティア団体「ツヨシプロジェクト」が3月に写真集を500部作製すると、発売前から予約が殺到、増刷した。

 釧路市動物園の3月の来園者数は過去10年で最多の約6千人。14年度の来園者も13万人を超え、2年連続で増加した。

同園は「今冬は吹雪の日が多く、本来なら来園者数は伸び悩んだはず。ミルク人気が押し上げた」とみている。

 阿部友行園長は「大型連休にミルクをぜひ見に来てほしい」と話し、10月の開園40周年に向けて来園者の増加を期待している。

(2015年4月22日北海道新聞朝刊)

釧路市動物園ミルクの動画